この記事でわかること
- 登録販売者試験で特に出やすい成分TOP10
- 各成分のどこが問われるかのポイント
- 第3章を効率よく攻略するための学習順序
第3章は500成分を全部覚える必要はない
登録販売者試験の第3章は全120問中40問を占める最重要章です。手引きに登場する成分数は500種類以上ありますが、実際の試験では毎年繰り返し出る「頻出成分」が存在します。
すべてを均等に覚えようとすると時間が足りません。まずは頻出成分を確実に得点源にすることが合格への近道です。
薬剤師として18年現場に立ってきた立場から言うと、頻出成分は「現場でも実際によく使われる成分」と一致していることが多いです。試験対策と実務知識が同時に身につくので、優先して覚える価値は十分あります。
第1位 アセトアミノフェン(解熱鎮痛)
15歳未満に使える唯一の内服解熱鎮痛成分という「例外的な特徴」があるため、毎年必ず問われます。
試験で問われるポイント
- 📌 抗炎症作用がほとんどない(NSAIDsとの違い)
- 📌 空腹時でも服用可能
- 📌 過量服用・アルコール多飲で肝障害リスク
- 📌 15歳未満への使用が可能(解熱鎮痛成分では唯一)
使用実績が長く、子供や妊娠している方にも比較的安全に使えるというのは現場の常識です。「なぜ15歳未満に使えるのか」という理由まで理解しておきましょう。
第2位 アスピリン(解熱鎮痛)
「ライ症候群」という固有名詞がセットで問われるため、知っているかどうかがはっきり差が出る成分です。
試験で問われるポイント
- 📌 ウイルス性疾患の15歳未満への投与でライ症候群リスク
- 📌 抗血小板作用がある(他の解熱鎮痛成分にはない特徴)
- 📌 胃腸障害が強い
- 📌 アスピリン喘息はNSAIDs全般に注意
アスピリン喘息という名前ですが、イブプロフェンやロキソプロフェンでも起こります。「名前に惑わされない」という視点で覚えましょう。
第3位 クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン)
抗ヒスタミン成分の代表格で、風邪薬・鼻炎薬・かゆみ止めなど複数の薬効群をまたいで登場するため出題頻度が高いです。
試験で問われるポイント
- 📌 第1世代抗ヒスタミン成分(眠気が出やすい)
- 📌 抗コリン作用も持つ(緑内障・排尿困難に注意)
- 📌 服用後は乗り物の運転不可
- 📌 風邪薬・鼻炎薬・内服アレルギー薬に広く配合
「なぜ風邪薬を飲むと眠くなるのか」という患者さんの疑問の答えがこの成分です。抗ヒスタミン成分の眠気と抗コリン作用はセットで理解しておきましょう。
第4位 ロートエキス(抗コリン)
緑内障・前立腺肥大への禁忌という「禁忌の理由」まで問われるため、仕組みの理解が必要な成分です。
試験で問われるポイント
- 📌 抗コリン作用により消化管の運動を抑制
- 📌 緑内障・前立腺肥大の人には禁忌(眼圧上昇・排尿困難の悪化)
- 📌 母乳移行するため授乳中は使用を避ける
- 📌 胃腸薬・乗り物酔い薬に配合
「なぜ緑内障に禁忌なのか」という理由(瞳孔散大→眼圧上昇)まで理解すると、ロートエキス以外の抗コリン成分すべてに応用できます。
第5位 コデインリン酸塩(鎮咳)
2019年の規制強化(12歳未満禁止)という比較的新しい改訂内容が試験に反映されており、出題が続いています。
試験で問われるポイント
- 📌 麻薬性鎮咳成分(依存性あり)
- 📌 12歳未満への使用禁止(2019年改訂)
- 📌 妊婦・授乳中は使用を避ける
- 📌 便秘の副作用
「12歳未満禁止」になったのは、欧米での死亡事例報告を受けた国際的な流れです。こういった「なぜ変わったか」の背景を知っておくと記憶に定着しやすくなります。
第6位 イブプロフェン(解熱鎮痛)
OTC医薬品の中で最もよく売れている解熱鎮痛成分のひとつで、禁忌が多く出題しやすいためです。
試験で問われるポイント
- 📌 15歳未満・妊婦(末期)・アスピリン喘息は禁忌
- 📌 抗炎症作用あり(アセトアミノフェンとの違い)
- 📌 胃腸障害が出やすい
- 📌 NSAIDsの一種
イブプロフェンとアセトアミノフェンの比較問題は毎年どこかで出ます。「炎症に効くか・小児に使えるか・胃への影響」の3軸で比較しておくと安心です。
第7位 グリチルリチン酸二カリウム(抗炎症)
「偽アルドステロン症」という副作用名が独特で覚えやすく、かつ出題頻度が高い成分です。
試験で問われるポイント
- 📌 抗炎症作用・抗アレルギー作用
- 📌 偽アルドステロン症(むくみ・血圧上昇・低カリウム血症)のリスク
- 📌 大量摂取・長期連用で副作用リスク上昇
- 📌 風邪薬・胃腸薬・口内炎薬など多くの製品に配合
グリチルリチン酸は甘草(かんぞう)の主成分でもあります。漢方薬に甘草が含まれていると、グリチルリチン酸を含む他の薬との重複に注意が必要です。これは現場でも実際に問題になります。
第8位 センノシド(瀉下)
大腸刺激性・習慣性・妊婦禁忌という3つの重要ポイントがコンパクトにまとまっており、出題しやすい成分です。
試験で問われるポイント
- 📌 大腸を刺激して排便を促す(大腸刺激性瀉下薬)
- 📌 長期連用で習慣性(耐性)が生じる
- 📌 妊婦には使用を避ける(子宮収縮を促す可能性)
- 📌 センナ・ダイオウも同系統の生薬
「便秘薬の飲みすぎで効かなくなってきた」という患者さんへの対応は現場でよくある場面です。大腸刺激性瀉下薬は常用を避けるよう伝えることが重要です。
第9位 ロペラミド塩酸塩(止瀉)
「感染性下痢には使ってはいけない」という反直感的な禁忌が試験で繰り返し問われます。
試験で問われるポイント
- 📌 腸の運動を抑制して止瀉
- 📌 感染性下痢(食中毒など)への使用は避ける(原因菌・毒素の排出を妨げる)
- 📌 乳幼児への使用禁止
- 📌 眠気・めまいの副作用
「下痢をしているからといって止瀉薬を使えばよいわけではない」という考え方は、登録販売者として来局者に適切な薬を選んでもらうための重要な視点です。
第10位 プソイドエフェドリン塩酸塩(交感神経刺激)
高血圧・前立腺肥大・甲状腺機能亢進症など禁忌が多く、鼻炎薬の成分として身近なため出題されやすいです。
試験で問われるポイント
- 📌 交感神経を刺激して鼻粘膜の血管を収縮→鼻づまり改善
- 📌 高血圧・心臓病・前立腺肥大・甲状腺機能亢進症は禁忌
- 📌 依存性・乱用のリスク(濫用等のおそれのある医薬品に指定)
- 📌 速攻性があるため鼻炎薬に広く使われる
プソイドエフェドリンは海外ではメタンフェタミン(覚醒剤)の前駆体として悪用された歴史から、販売規制が厳しくなった成分です。濫用医薬品として1個(1包装)のみ販売可能という規定も試験範囲です。
頻出成分の学習優先順位まとめ
| 優先度 | 成分 | 最重要ポイント |
|---|---|---|
| ★★★ | アセトアミノフェン | 15歳未満OK・抗炎症なし |
| ★★★ | アスピリン | ライ症候群・抗血小板 |
| ★★★ | クロルフェニラミン | 眠気・抗コリン作用 |
| ★★★ | ロートエキス | 緑内障禁忌の理由 |
| ★★★ | コデイン | 12歳未満禁止・依存性 |
| ★★ | イブプロフェン | 15歳未満禁止・NSAIDs |
| ★★ | グリチルリチン酸 | 偽アルドステロン症 |
| ★★ | センノシド | 習慣性・妊婦禁忌 |
| ★★ | ロペラミド | 感染性下痢NG |
| ★★ | プソイドエフェドリン | 高血圧禁忌・濫用リスク |
第3章攻略の学習アドバイス
第3章は成分数が多く「全部覚えよう」とすると挫折します。まずこのTOP10を完璧にすることで、試験全体の得点率が大きく上がります。
TOP10を押さえたら次は「禁忌の横断整理」がおすすめです。緑内障・前立腺肥大・高血圧・妊婦・小児など、禁忌の対象ごとに成分を整理し直すと、初見の問題にも対応できる力がつきます。
- STEP1:このTOP10を「なぜ?」まで含めて理解する
- STEP2:禁忌を「対象者別」(小児・妊婦・緑内障など)に横断整理する
- STEP3:問題演習で間違えた成分だけを繰り返し復習する
- STEP4:過去問で出題パターンを把握する
📝 この記事を書いた人
薬剤師・薬局長(薬剤師歴18年)。調剤薬局で日々患者さんの服薬指導を行っています。登録販売者試験の頻出成分を、現場で実際に扱う視点からわかりやすく解説します。