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この記事でわかること
- 葛根湯の効能・効果と適した体質(証)
- 構成生薬7種とその役割
- 登録販売者試験での頻出ポイント
- 使ってはいけない人・注意すべき副作用
- 市販の葛根湯商品の選び方
葛根湯とは
「風邪をひいたら葛根湯」という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。葛根湯は日本で最もよく知られた漢方薬のひとつで、ドラッグストアでも手軽に購入できます。
ただし、誰にでも合うわけではありません。漢方薬には「証(しょう)」という概念があり、その人の体力・体質・症状に合った薬を選ぶことが重要です。
薬剤師として18年間、日々の現場で患者さんの相談を受けてきました。葛根湯について「体力がない人には逆効果になることがある」という事実は、あまり知られていません。この記事で正しい知識をしっかり身につけてください。
【証】葛根湯が合う体質・合わない体質
漢方薬選びで最も重要なのが「証」の確認です。葛根湯は実証(体力がある人)向けの漢方です。
- 体力が中等度以上ある人
- 胃腸が丈夫な人
- 風邪のひきはじめで、まだ汗をかいていない人
- ぞくぞくと寒気がある人
- 肩こりや首筋のこりがある人
- 体力が低下している・虚弱体質の人(逆効果になることがある)
- 汗が既に出ている人(発汗を促す薬のため)
- 胃腸が弱く、食欲不振がある人
- 高齢者・体の弱った人(使う場合は少量から)
- 高血圧・心臓病・腎臓病のある人(マオウの影響)
- 妊娠中の人
「葛根湯なら何でも大丈夫」と思っている人は多いですが、体力のない人が飲むと動悸や血圧上昇、胃腸障害を起こすことがあります。体質に合った漢方を選ぶことが大切です。
葛根湯の効能・効果
添付文書に記載された正式な効能効果は以下の通りです。試験にもそのまま出題されるので、正確に覚えましょう。
📋 添付文書より
体力中等度以上のものの次の諸症:
感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み
試験で必ず押さえる3点:
虚弱体質には不向き
風邪の初期段階に使う
発汗後は不適
【試験対策】登録販売者試験の頻出ポイント
葛根湯は登録販売者試験の第3章で頻出の漢方です。以下を確実に押さえましょう。
① 構成生薬7種(全部覚える)
| 生薬名 | 読み方 | 主な働き |
|---|---|---|
| 葛根 | カッコン | 主薬 発汗・解熱・首肩のこりをほぐす |
| 麻黄 | マオウ | 重要 発汗・解熱・気管支拡張(交感神経刺激) |
| 桂皮 | ケイヒ | 発汗・体を温める |
| 芍薬 | シャクヤク | 鎮痛・筋肉の緊張をほぐす |
| 甘草 | カンゾウ | 重要 鎮痛・抗炎症・他の生薬との調和 |
| 生姜 | ショウキョウ | 体を温める・健胃 |
| 大棗 | タイソウ | 健胃・緩和 |
② マオウ・カンゾウが含まれる(超重要)
試験では「葛根湯にカンゾウは含まれるか?」「マオウは含まれるか?」という問いが頻出です。
マオウ(麻黄)
→ 含まれる
カンゾウ(甘草)
→ 含まれる
ダイオウ(大黄)
→ 含まれない
③ 麻黄湯との違いを押さえる
| 葛根湯 | 麻黄湯 | |
|---|---|---|
| 証 | 体力中等度以上 | 体力充実 |
| 特徴 | 肩こり・鼻炎にも使える | より強力な発汗・解熱 |
| ダイオウ | なし | なし |
| カッコン | あり | なし |
④ よく出る試験問題パターン
Q. 葛根湯について正しいものはどれか?
- ❌「体力虚弱な人に適する」→ 誤り(体力中等度以上)
- ❌「汗が出ている人の風邪に用いる」→ 誤り(汗をかいていないもの)
- ✅「カンゾウとマオウを含む」→ 正しい
- ✅「感冒の初期に用いる」→ 正しい
葛根湯の副作用と注意点
漢方薬は「自然由来だから安全」と思われがちですが、葛根湯にも副作用があります。
麻黄(マオウ)による副作用
- 動悸・息切れ
- 血圧上昇
- 不眠・興奮
- 排尿困難(前立腺肥大の人は特に注意)
甘草(カンゾウ)による副作用
- 偽アルドステロン症:むくみ・血圧上昇・低カリウム血症
- ※他のカンゾウ含有薬との重複服用で発症リスクが上がる
葛根湯は市販薬の中でも比較的よく使われますが、他の風邪薬や漢方薬と一緒に飲む場合は、カンゾウの重複摂取に注意が必要です。
市販の葛根湯の選び方
剤形別の特徴と小児用量
| 剤形 | 特徴 | 小児の用量設定 |
|---|---|---|
| 顆粒・粉末 | 吸収が早い・お湯に溶かせる | 1歳以上から設定あり |
| 錠剤 | 飲みやすいが1日12錠と錠数が多い | 5歳以上から設定あり |
錠剤は1回4錠を1日3回、計12錠飲む必要があります。飲み忘れリスクや外出先での管理を考えると、使い慣れた方以外は顆粒の方が実用的なケースも多いです。お子さんへの使用は顆粒の方が年齢対応が広く、用量調整もしやすいです。
お湯に溶かして飲む「温服」という飲み方
葛根湯の顆粒は、水で飲むだけでなくお湯に溶かして飲む(温服)方法がおすすめです。体を温めることを目的とした葛根湯において、温かい状態で飲むことで温める効果をより引き出しやすいと考えられています。
また、漢方の古典「傷寒論」の時代から、薬を煎じて飲む際に立ち上る蒸気を鼻から吸い込むことにも意味があると伝えられてきました。
🍵 温服の手順
- カップにお湯(80〜100℃)を注ぐ
- 顆粒を溶かしてよく混ぜる
- 少し冷ましながら、立ち上る蒸気を鼻でゆっくり吸い込む
- 温かいうちに飲む
⚠️ 蒸気吸入は伝統的な飲み方に基づくものです。医薬品として承認された効能ではありませんのでご注意ください。
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まとめ|葛根湯を正しく使うために
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 向いている体質 | 体力中等度以上・汗をかいていない |
| 向いていない体質 | 虚弱体質・高齢者・胃腸が弱い人 |
| 効能 | 風邪初期・鼻炎・頭痛・肩こり |
| 主な構成生薬 | カッコン・マオウ・カンゾウ含む(7種) |
| 試験の頻出ポイント | 体力中等度以上・汗なし・マオウ・カンゾウ含有 |
| 副作用 | 動悸・偽アルドステロン症に注意 |
葛根湯は使いどころを正しく理解すれば非常に頼りになる漢方薬です。「体力がある人の、風邪のひきはじめ、まだ汗をかいていない段階」で使う。これが基本中の基本です。
登録販売者として、お客様に正しいアドバイスができるよう、この知識をしっかり活かしてください。
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📝 この記事を書いた人
薬剤師・薬局長(薬剤師歴18年)。調剤薬局で漢方の服薬指導を日常的に行っています。登録販売者試験の頻出漢方を、現場の視点からわかりやすく解説します。