💊 OTC・薬の知識

【令和8年改訂】指定濫用防止医薬品とは?
対象成分・販売数量を薬剤師が解説

指定濫用防止医薬品 登録販売者試験対策

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この記事でわかること

  • 令和8年4月改訂で何が変わったかが3分でわかる
  • 名称変更の背景と新しい法的根拠(法第36条の11第1項)
  • 対象成分8つと、新たに追加された2成分
  • 販売数量制限のルール(5日分/7日分の使い分け)
  • 容器表示の新ルール
  • 薬剤師18年の現場目線で見た実務上の注意点
  • 試験で狙われやすい3つのポイント

結論:ここだけ押さえればOK

令和8年4月の手引き改訂で、最も大きな変更点が「指定濫用防止医薬品」というカテゴリーの登場です。ざっくり言うとこうなります。

  • 「濫用等のおそれのある医薬品」→「指定濫用防止医薬品」に名称変更
  • ジフェンヒドラミン・デキストロメトルファンが新規追加
  • 販売数量は原則5日分まで(かぜ薬等は7日分まで)
  • 容器に「要確認」の字句表示が義務化

この記事では、薬剤師として18年現場にいる立場から、「なぜ変わったのか」「現場ではどう変わるのか」「試験ではどこが狙われるのか」を順番に解説していきます。

1. なぜ名称が変わったのか

これまでは「濫用等のおそれのある医薬品」という呼び方でした。令和8年4月から「指定濫用防止医薬品」になります。名称変更の背景には、法律レベルでの位置づけの強化があります。

旧:濫用等のおそれのある医薬品 新:指定濫用防止医薬品
法的根拠 施行規則第15条の2 法第36条の11第1項
位置づけ 規則レベル 法律レベル(格上げ)
名称の意味 状態を表す呼び方 防止すべき対象としての呼び方

法律レベルへの格上げは、近年の若年層を中心とした市販薬乱用問題の社会的深刻化を受けたものです。SNSで「OD(オーバードーズ)」が話題になっていることもあり、規制が強化された流れと考えてよいでしょう。

2. 対象成分はこの8つ

指定濫用防止医薬品の対象となる成分は、以下の8つです。いずれも水和物および塩類を含み、外用剤は除くとされています。

番号 成分名 主な用途 備考
1 エフェドリン かぜ薬、鎮咳去痰薬 旧版から継続
2 コデイン 鎮咳去痰薬 旧版から継続
3 ジヒドロコデイン 鎮咳去痰薬 旧版から継続
4 ジフェンヒドラミン 抗ヒスタミン、睡眠改善 🆕 新規追加
5 デキストロメトルファン 鎮咳去痰薬 🆕 新規追加
6 プソイドエフェドリン かぜ薬、鼻炎用内服薬 旧版から継続
7 ブロモバレリル尿素 解熱鎮痛薬 旧版から継続
8 メチルエフェドリン かぜ薬、鎮咳去痰薬 旧版から継続
🆕 新規追加2成分のポイント

ジフェンヒドラミン(第一世代抗ヒスタミン薬)

ドリエルやレスタミンコーワに配合。強い眠気誘発作用から睡眠改善目的での乱用が社会問題化。若年層による過量摂取(OD)の救急搬送が増加していたことが背景にあります。

デキストロメトルファン(非麻薬性鎮咳成分)

メジコンせき止め錠Proや総合感冒薬(新ルルAゴールドDXαなど)に配合。大量摂取でモルヒネ様の精神作用(解離症状)を引き起こすことが知られており、「市販薬OD」の主要成分として乱用されてきました。

3. 販売数量制限の新ルール

令和8年改訂で明確化されたのが、販売数量の制限です。これまで「適切な数量」というあいまいな表現だったものが、具体的な日数で示されました。

原則:1人につき1回5日分まで

すべての指定濫用防止医薬品について、1回の販売で5日分までが原則です。

例外:特定効能の製剤は7日分まで

ただし、以下の効能を持つ製剤に限り、7日分までの販売が認められます。

成分 7日分まで認められる効能
ジヒドロコデイン かぜ薬
ジフェンヒドラミン 🆕 かぜ薬
デキストロメトルファン 🆕 かぜ薬
プソイドエフェドリン かぜ薬・鼻炎用内服薬
ブロモバレリル尿素 解熱鎮痛薬
📌 エフェドリン・コデイン・メチルエフェドリンに注意

この3成分は効能にかかわらず一律5日分までです。「効能によっては7日分」という選択肢に引っかからないよう注意してください。

数量の判断ルール

  • 📌 年齢で用量が異なる場合:1日当たりの用量が最も多い年齢を基準に判断
  • 📌 頓用の場合:1日当たりの最大使用量を基準に判断

4. 容器・外箱への新表示ルール

販売規制の強化に合わせて、容器・外箱への表示にも新しいルールが加わりました。

製品の量 表示内容
規定数量以下の指定濫用防止医薬品 要確認」の字句
規定数量を超える指定濫用防止医薬品 」を○または□で囲んだ「(要)確認」

「要確認」とは、購入者の年齢確認や、複数購入希望者へのヒアリングなどを販売側がしっかり確認すること、という意味合いです。

5. 薬剤師の現場目線:ここがポイント

💊 薬剤師・薬局長18年の現場から

ジフェンヒドラミン追加のインパクトは大きい

ジフェンヒドラミンは抗ヒスタミン薬として非常に汎用性が高く、かぜ薬・鼻炎薬・睡眠改善薬・乗り物酔い止めなど、幅広い製品に配合されています。

これまで「軽めの規制」でしかなかった成分が、エフェドリンやコデインと同じ枠組みになるのは現場的に大きな変化です。ドリエルレスタミンコーワを求めて来店するお客様への対応が、明確に変わります。

新人の登録販売者・薬剤師の皆さんは、「年齢確認」「他店での購入有無の確認」「複数購入の理由ヒアリング」を、これまで以上に丁寧に行う習慣をつけてください。

デキストロメトルファンは「メジコンせき止め錠Pro」だけじゃない

デキストロメトルファンと聞くとメジコンせき止め錠Proを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、総合感冒薬にも幅広く配合されています(新ルルAゴールドDXαなど)。

「うちはメジコンせき止め錠Pro置いてないから関係ない」ではなく、配合成分を見直して、デキストロメトルファンを含む製品を一通り把握するという視点が必要です。

接客で気をつけたいサイン

  • 複数の指定濫用防止医薬品を同時に購入しようとする
  • 同じ商品を「家族の分」「予備」として複数買う
  • 若年層が単独で深夜に来店
  • 使用目的を聞かれると曖昧に答える

こうしたサインに気づくのは、現場の登録販売者・薬剤師の役割です。「OD目的かもしれない」と感じたとき、販売を断るだけでなく、受診や相談窓口を案内するのも大切な仕事です。

6. 試験で狙われやすい3つのポイント

令和8年4月改訂で新設・変更された内容は、令和8年12月の試験で必ず狙われると考えてよいでしょう。

01

対象成分の暗記

8つの成分すべてを言えるようにしましょう。新追加2成分は特に頻出予想です。

覚え方の一例

  • 鎮咳3兄弟:コデイン・ジヒドロコデイン・デキストロメトルファン
  • アドレナリン3兄弟:エフェドリン・メチルエフェドリン・プソイドエフェドリン
  • 単独枠:ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン)・ブロモバレリル尿素(鎮静)
02

5日/7日のルール

原則5日、効能限定で7日」のルールを正確に覚えてください。「すべて5日」「すべて7日」のような選択肢は誤りです。

エフェドリン・コデイン・メチルエフェドリンは効能にかかわらず一律5日分のみ

03

法的根拠の条文

法第36条の11第1項」が新たに登場します。「施行規則第15条の2」と書かれた選択肢は古い情報なので注意。

施行規則→法律本体への格上げが今回の最大の変更点。

⚠️ よくある引っかけパターン
  • ❌「外用剤も含む」✅「外用剤は除く」
  • ❌「すべて5日分まで」✅「原則5日分、効能により7日分」
  • ❌「施行規則第15条の2」✅「法第36条の11第1項」
  • ❌「エフェドリンはかぜ薬なら7日分OK」✅「エフェドリンは一律5日分のみ」

7. まとめ

項目 内容
名称変更 濫用等のおそれのある医薬品 → 指定濫用防止医薬品
法的根拠 法第36条の11第1項に格上げ
対象成分 8成分(新追加:ジフェンヒドラミン、デキストロメトルファン)
販売数量 原則5日分、効能により7日分
容器表示 「要確認」の字句または「(要)確認」表示
試験頻出度 ★★★(令和8年12月試験で必出予想)

法改正の背景には、若年層を中心とした市販薬乱用の社会問題があります。試験対策としてだけでなく、現場で接客する登録販売者として、お客様の健康を守る視点も併せて意識していきたい改正です。

12月試験まで時間はあります。新ルールをしっかり押さえて、万全の準備で挑みましょう。

出典・参考

  • 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月作成、令和8年4月一部改訂)」
  • 令和8年厚生労働省告示第32号
  • 令和8年2月13日 医薬発0213第1号(指定濫用防止医薬品の指定について)
  • 令和8年2月13日 医薬発0213第2号(数量に関する告示の適用について)
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第36条の11

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