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この記事でわかること
- 脂質異常症の診断基準(令和8年改訂対応版)
- 「中性脂肪空腹時150mg/dL以上」に変わった理由
- LDL・HDL・中性脂肪、それぞれの意味
- 高コレステロール改善薬の主な配合成分
- 登録販売者試験で狙われるポイント
- 旧版テキストを使っている人の追加対策
結論:中性脂肪の基準に「空腹時」が追記された
令和8年4月の手引き改訂で、脂質異常症の診断基準が更新されました。変更されたのは中性脂肪の基準だけ。LDLとHDLは従来通りです。
| 項目 | 旧基準 | 新基準(令和8年4月〜) |
|---|---|---|
| LDLコレステロール | 140mg/dL以上 | 140mg/dL以上(変更なし) |
| HDLコレステロール | 40mg/dL未満 | 40mg/dL未満(変更なし) |
| 中性脂肪 | 150mg/dL以上 | 🆕 空腹時150mg/dL以上 |
これら3つのうちいずれか1つを満たすと、脂質異常症と診断されます。
地味な変更ですが、試験では「空腹時」の一言が入っているかどうかで正誤を判定する引っ掛け問題が予想されます。ここをしっかり押さえておきましょう。
1なぜ「空腹時」が追記されたのか
日本動脈硬化学会の新ガイドライン
今回の基準変更は、日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」に合わせた更新です。
医学的な理由
食事をすると、体内で中性脂肪(トリグリセリド)が一時的に大きく上昇します。食後すぐに測定すると、本来は問題ない人でも「中性脂肪が高い」と判定されてしまうリスクがあります。
そこで、正確に脂質異常症かどうかを評価するには、空腹時の測定値で判断すべきというのが新ガイドラインの考え方です。
現場でも、健診で「中性脂肪が高い」と言われて相談に来るお客様は多いです。「朝食後すぐに血液検査した」という方もよくいて、「それは一時的に上がっているだけかもしれませんよ、次回は空腹時の再検査を」とお伝えすることがあります。この新基準は、そうした現場の実態を反映したものと言えます。
2それぞれの数値の意味
脂質異常症の3つの指標について、それぞれの意味を押さえておきましょう。
LDL(Low-Density Lipoprotein)は、コレステロールを肝臓から末梢組織へ運ぶ役割を持つリポタンパク質です。過剰に増えると血管壁にコレステロールが蓄積して動脈硬化の原因になるため「悪玉コレステロール」と呼ばれます。
HDL(High-Density Lipoprotein)は、末梢組織のコレステロールを取り込んで肝臓へ運ぶ役割を持ちます。血管壁に溜まったコレステロールを回収してくれるため「善玉コレステロール」と呼ばれます。
食事から摂った脂質や糖質をもとに体内で合成され、エネルギー源として貯蔵されます。過剰になると肥満や脂肪肝の原因となり、動脈硬化のリスクも高めます。食後は一時的に大きく変動するため、令和8年改訂で「空腹時」の条件が明記されました。
3高コレステロール改善薬の配合成分
登録販売者試験では、脂質異常症の診断基準と合わせて、高コレステロール改善薬の配合成分も頻出です。主な成分を押さえておきましょう。
(a)高コレステロール改善成分
大豆油不けん化物(ソイステロール)
腸管におけるコレステロールの吸収を抑える
リノール酸、ポリエンホスファチジルコリン
コレステロールと結合してコレステロールエステルを形成。肝臓でのコレステロール代謝を促進
パンテチン
LDL等の異化排泄を促進。リポタンパクリパーゼ活性を高めてHDL産生を促進
悪心(吐きけ)、胃部不快感、胸やけ、下痢など消化器系の症状が現れることがあります。
(b)ビタミン成分
ビタミンB₂(リボフラビン酪酸エステル等)
- コレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用
- 中性脂肪抑制作用
- 過酸化脂質分解作用
ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)
- コレステロールからの過酸化脂質の生成を抑える
- 末梢血管における血行促進作用
- 末梢血行障害(手足の冷え、痺れ)の緩和目的
4登録販売者試験で狙われるポイント
よくある引っ掛けパターン
HDLの「未満」を「以上」に入れ替える
「空腹時」の文言を削る(令和8年改訂で新たに発生)
LDLとHDLの役割を入れ替える
- リボフラビンの服用で尿が黄色くなる → 副作用ではない
- 大豆油不けん化物(ソイステロール)→ 腸管でのコレステロール吸収抑制
- パンテチン→ HDL産生促進
- 高コレステロール改善薬は食事療法・運動療法の補助的な位置づけ
5薬剤師の現場目線:脂質異常症の接客ポイント
「健康診断で引っかかった」お客様への対応
脂質異常症でOTC医薬品を買いに来るお客様には、必ず医療機関の受診歴を確認してください。理由は3つ。
- 医療用の脂質異常症治療薬(スタチン系等)との併用に注意が必要
- 重度の脂質異常症は医療機関での治療が優先
- OTCは補助的な位置づけであることを丁寧に伝える
「健診で中性脂肪が高かった」相談への対応
令和8年改訂の「空腹時」基準を踏まえると、健診がいつの時間帯に行われたかがポイントになります。
- 空腹時(朝食前)の採血で150mg/dL以上 → 脂質異常症の可能性
- 食後すぐの採血で高かった → 一時的な上昇の可能性あり、再検査が推奨
この違いを説明できると、お客様から「詳しい人だ」と信頼してもらえます。
生活習慣改善のアドバイス
薬の提案だけでなく、以下の生活習慣改善を合わせてお伝えできるとベスト。
- 糖質・脂質を多く含む食品の摂り過ぎに注意
- 適度な運動(1日30分程度のウォーキング等)
- 野菜・食物繊維の積極的摂取
- 禁煙・節酒
6旧版テキストを使っている人の追加対策
令和8年改訂前のテキストには、中性脂肪基準の「空腹時」が入っていない可能性があります。
- 中性脂肪の記述に「空腹時」が入っているか
- 最新の日本動脈硬化学会ガイドラインに準拠しているか
- 高コレステロール改善薬の配合成分(特にパンテチン、リボフラビン)の記述があるか
「空腹時」が入っていない旧版を使っている方は、この記事の内容を追記する形でメモしておけば、改訂対応として十分です。
まとめ
令和8年4月改訂で更新された脂質異常症の診断基準は、中性脂肪に「空腹時」が追記された点のみ。
3つの数値を正確に暗記
LDL:140以上/HDL:40未満/中性脂肪:空腹時150以上
「空腹時」の文言を忘れない
令和8年改訂の最重要ポイント。引っ掛け問題に対応できるように。
LDL・HDLの役割(肝臓⇄末梢)の方向を押さえる
LDL=肝臓→末梢、HDL=末梢→肝臓。逆にした引っ掛けに注意。
高コレステロール改善薬の配合成分と作用を理解
ソイステロール・パンテチン・リボフラビン・ビタミンEの役割。
リボフラビンで尿が黄色くなる(副作用ではない)
「副作用ではない」という事実が試験で問われる。
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