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この記事でわかること
- 市販頭痛薬の成分の違いとそれぞれの特徴
- 体質・状況別の選び方
- 飲んではいけないケースと受診すべき頭痛
- 薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)について
頭痛薬は「症状」より「体質・状況」で選ぶ
ドラッグストアの頭痛薬コーナーには、ロキソニンS・イブ・タイレノール・セデスをはじめ、たくさんの種類が並んでいます。
よく「この症状にはこれ」という選び方が紹介されますが、実際には鎮痛薬の効き方には個人差があります。ある人にはロキソニンが合う、別の人にはタイレノールの方が効くという違いが出ることもあります。
「症状で選ぶ」より「自分の体質や状況に合わせて選ぶ」という考え方の方が、現実的で安全です。
薬剤師の視点から 調剤薬局でも「市販薬を飲んでも頭痛が治まらない」という相談を受けることがあります。よく聞くと、胃腸が弱いのにNSAIDsを空腹で飲んでいたり、喘息がある方がアスピリン系を選んでいたりするケースがあります。成分の特徴を知った上で選ぶことが、安全で効果的な使い方につながります。
まず知っておきたい成分の2大分類
市販の頭痛薬に含まれる有効成分は、大きく2種類に分けられます。
NSAIDs(エヌセイズ)系
正式名称は「非ステロイド性抗炎症薬」です。痛みの原因物質であるプロスタグランジンの産生を抑えることで、痛みと炎症を同時に抑えます。
代表的な成分:ロキソプロフェン・イブプロフェン
- 鎮痛・抗炎症・解熱の3つの作用がある
- 効き目が出やすい傾向がある
- 胃腸への負担がかかりやすい(空腹時の服用は要注意)
- 喘息のある方は使用前に確認が必要
アセトアミノフェン系
脳の痛みを感じる中枢に働きかけて痛みと発熱を抑えます。炎症そのものを抑える作用はNSAIDsほど強くありませんが、胃腸への負担が少なく、幅広い方に使いやすい成分です。
代表的な成分:アセトアミノフェン
- 胃腸に優しい
- 医療機関でも広く用いられている成分
- 過量服用で肝機能障害のリスクがあるため用量厳守
主な市販頭痛薬の特徴
ロキソニンS(ロキソプロフェン)
主成分: ロキソプロフェンナトリウム水和物
特徴: NSAIDsの中でも鎮痛作用が強く、飲んでから比較的早く効果が期待できます。胃で吸収される前は非活性型、吸収されてから活性型になる「プロドラッグ」という仕組みのため、他のNSAIDsより胃腸への負担が少ないとされています。第1類医薬品のため、薬剤師がいる時間帯にしか購入できません。
しっかりした鎮痛効果を求める方に向いています。ロキソニンSシリーズにはプレミアム・プラス・クイックなど複数の種類があり、それぞれ追加成分が異なります。詳しくは別記事で解説しています。
👉 ロキソニンSシリーズの種類と選び方(近日公開)
注意が必要な方:
- 喘息がある方(NSAIDs過敏症の可能性)
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍がある方
- 妊娠中の方(特に妊娠後期)
- 15歳未満の方
イブ(イブプロフェン)
主成分: イブプロフェン
特徴: NSAIDs系の鎮痛薬で、生理痛・頭痛・腰痛などの鎮痛に用いられます。第2類医薬品のため、薬剤師不在の時間帯でも購入できます。
注意が必要な方:
- 喘息がある方
- 胃腸が弱い方(空腹時は避ける)
- 妊娠中・授乳中の方
- 15歳未満の方
タイレノールA(アセトアミノフェン)
主成分: アセトアミノフェン300mg(単剤)
特徴: アセトアミノフェン単剤という点が大きなメリットです。余分な成分が入っていないため、長年の使用実績が蓄積されており、安全性の評価が高い成分です。医療機関での解熱鎮痛においても広く用いられています。
NSAIDsのような抗炎症作用はないため、炎症を伴う強い痛みには物足りない場合がありますが、胃腸への負担が少なく、喘息の方でも比較的使いやすい成分です。
妊娠中・授乳中の方は服用前に医師・薬剤師への確認が必要ですが、医療機関でも対応が検討されやすい成分のひとつです。
錠剤が苦手な方・子どもには「バファリンルナJ」も選択肢のひとつです。 アセトアミノフェン100mg配合のチュアブル錠(噛み砕いて飲める)で、水なしでも服用できます。7歳以上から使用でき、年齢によって錠数を調整できる設計は処方薬にはない特徴です。錠剤が飲みにくい大人の方にも活用できます。
注意が必要な方:
- 肝機能が低下している方
- お酒を多く飲む方(肝臓への負担が増える)
- 他のアセトアミノフェン配合薬との重複服用に注意
セデス・ハイ(ピリン系複合成分)
主成分: イソプロピルアンチピリン(ピリン系)・アセトアミノフェン・無水カフェイン・アリルイソプロピルアセチル尿素
特徴: ピリン系成分を含む複合成分の鎮痛薬です。複数の成分が組み合わさっており、他の鎮痛薬で効果が感じにくかった場合に試してみる選択肢になることがあります。
ただし、ピリン系アレルギー(ピリンアレルギー)がある方は使用できません。 初めて使用する場合は添付文書をよく読み、合わない場合はすぐに中止してください。鎮静成分(アリルイソプロピルアセチル尿素)を含むため、服用後の運転・機械操作は避けてください。また、依存や乱用には十分な注意が必要です。
注意が必要な方:
- ピリン系アレルギーがある方(使用不可)
- 運転・機械操作をする方
- 15歳未満の方
体質・状況別の選び方
| 状況・体質 | 選び方の目安 |
|---|---|
| しっかりした鎮痛効果がほしい | ロキソプロフェン(ロキソニンS)系 |
| 胃腸が弱い | アセトアミノフェン(タイレノール)系 |
| 喘息がある | アセトアミノフェン(タイレノール)系 |
| 生理痛と頭痛が両方つらい | イブプロフェン(イブ)系 |
| 薬剤師不在・夜間に買いたい | 第2類医薬品(イブ・タイレノール等) |
| 錠剤が飲みにくい | チュアブル錠(バファリンルナJ) |
| 他の薬で効果が感じにくかった | セデス・ハイ(ピリン系・注意事項あり) |
| 子ども(7歳以上) | バファリンルナJ(保護者の管理のもと) |
鎮痛薬の効き方には個人差があります。一種類試して効果が感じにくい場合は、別の成分に変えてみることも選択肢のひとつです。
眠気の副作用について
プレミアム系製品やセデスに含まれる鎮静成分(アリルイソプロピルアセチル尿素)は眠気を引き起こすことがあります。ただし、眠気は高頻度で起こる副作用ではありません。 気になる場合は鎮静成分を含まない製品への切り替えを検討してみてください。
薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)に注意
頭痛薬を飲み続けることで、逆に頭痛が慢性化してしまう「薬物乱用頭痛(薬剤の使用過多による頭痛)」という状態があります。
目安として月に10日以上、頭痛薬を服用している場合は注意が必要です。
薬物乱用頭痛は市販薬だけでなく、処方薬でも起こり得ます。「飲めば治るから」と繰り返し服用することで、薬が切れると頭痛が起きるという悪循環に陥ることがあります。
詳しいメカニズムや対処法は別記事で解説しています。
👉 薬物乱用頭痛とは?頭痛薬の飲みすぎで起こること(近日公開)
頭痛が頻発する場合は受診を
以下に当てはまる場合は、市販薬で対処せず医療機関を受診してください。頭痛が月に何度も繰り返される場合は、頭痛外来などの専門外来への受診がおすすめです。
- 突然、今まで経験したことがない激しい頭痛(すぐに救急受診)
- 頭痛と一緒にめまい・しびれ・麻痺・言語障害がある
- 市販薬が全く効かない
- 月に何度も頭痛が繰り返される
- 発熱・首の硬直・意識障害を伴う頭痛
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 個人差がある | 効き方は人によって違う。試して合うものを見つける |
| 胃腸・喘息の有無で絞る | 弱め・喘息あり→アセトアミノフェン系 |
| 買いやすさも考慮 | 第2類は薬剤師不在でも購入可能 |
| 眠気は高頻度ではない | 気になる場合は成分を変えてみる |
| 月10日以上は要注意 | 薬物乱用頭痛のリスク |
| 頻発する頭痛は受診 | 頭痛外来などの専門外来がおすすめ |
迷ったときはドラッグストアの薬剤師や登録販売者に気軽に相談してみてください。
著者について
現役薬剤師・調剤薬局長(薬剤師歴18年)が監修。医薬品の正確な情報をもとに、読者が自分に合った薬を安全に選べるよう情報を提供しています。